ラストリゾートにお前はいない

・KPレス「ラストリゾートにお前はいない」のログです。
一部重複描写の削除など編集してあります。
シナリオ→https://booth.pm/ja/items/7173236?srsltid=AfmBOopyO679FJtHNk8QIy0ECSDAHzJKUiPIw6fEZBpyXO8-MuTPUb4o
・該当シナリオと、「血は氏より育ちて水」のネタバレを含みます

PL/PC まめ/狭野方 鏡人(よりちてHO3)


ccfolia – logs

[main] 事前説明 :
 【概要】
 シナリオ名:ラストリゾートにお前はいない
 略称:ラスおま
 形式:KPレスシナリオ
 ロスト率:低
 
 【事前チェック】
 本シナリオには以下の要素を含みます。
 ・メタフィクション

 【権利表記】
 本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社 KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話 TRPG』シリーズの二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by
Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話 TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」
 


▼全ての確認を終えたら、「物語を始める」を押してください。
 

[main] 01 :
 生温い、暗闇だった。

 まるで泥に沈んでいくような、そんな感覚。
 浮遊感はあなたを掴んで離さない。
 誰もいない暗闇に、ただ、あなたは独りで。
 魂なんて呼ばれるようなものを抱えて、一人沈んでいた。

 不意に、誰かがあなたの手を取った。
 それはすっかり暗闇に溶け落ちそうなあなたを引きずり上げるように、温かく、確かな感覚だった。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 既視感を覚える。

[main] 狭野方 鏡人 : 恐る恐る目を開ける。

[main] 02 :
 目を開ける。
 冷たい床の上に、あなたは横たわっていた。
 風がカーテンを靡かせる音だけが響いている。

 その視界を遮るように、三つ目の異形があなたを覗き込んでいた。
 子供ほどの大きさのそれは、影のように黒かった。顔に並ぶその目はまるで平面に描いたかのように淡白で、見つめるほどにぞわりとする。

 温かさを感じる右手に目をやる。
 そこには、あなたの手を握る異形の手があった。 
 異形はその真っ黒な手であなたを包み、並んだ三つ目であなたを見ている。
 ただ無機質に、あなただけを、見ている。
 SAN値チェック 0 / 1d3

[main] 狭野方 鏡人 : 1d100<=42 【正気度ロール】 (1D100<=42) > 17 > 成功

[main] 04 選択 :

[main] 01 :

[main] 02 :

[main] 狭野方 鏡人 : なんとなく他人事な感じがしなかった。手を取られたまま話しかける。

[main] 狭野方 鏡人 : 「誰だ?お前」

[main] 03-1 :
 小さな異形は少し黙った後に、あなたを見る。
 そうして、するりとあなたから手を離すと、床に落ちていたなにかを拾った。
 それは、スケッチブックとクレヨンだ。
 
 異形はその真っ黒な手を動かし、クレヨンで何かを書いている。クレヨンが紙を擦る音がやけに耳に残った。
 やがて、異形はぴたりと止まり、それから画用紙をあなたに見せた。

『こえが でない ことばを もたない だけど おはなし してほしい』



 以降、異形に話しかける場合は、キャラクター選択から「103号室の住人」を選んで、【(話しかける言葉)】というように、【】を使って話しかけること。

※異形は簡単な言葉しか理解できません。全て「ひらがな」で話しかけてください。
※異形が理解できない言葉には反応してくれません。
※異形はスケッチブックの上に文字を書いて見せてくれます。
※話し終わったら、「103号室の住人」を選んで、【話をやめる】と送ってください。

◆会話例
【こんにちは】
【だれ?】
【ここはどこ?】

[main] 103号室の住人 : 【こんにちは】

[main] 103号室の住人 : 【こんにちは よろしくおねがいします】

[main] 103号室の住人 : 【よろしくな】

[main] 103号室の住人 : 【だれ?】

[main] 103号室の住人 : 【なまえ わすれた】

[main] 103号室の住人 : 【わすれちゃったか〜】

[main] 103号室の住人 : 【おれはさのかただ】

[main] 103号室の住人 : 【ここはどこ?】

[main] 103号室の住人 : 【ここ は
いつも ゆうひ】

[main] 103号室の住人 : 【いつも?】

[main] 103号室の住人 : 【ゆうひって?】

[main] 103号室の住人 :

[main] 狭野方 鏡人 : んー??ずっと夕方ってことか?「外見てくる」「ちょっと待ってろ」

[main] 103号室の住人 : 【話をやめる】

[main] 02 選択 :
▼行動を選択してください。
 次に進む場合は、「全ての行動を終えたら」を押してください。
 

[main] 03-2 :
 小さなアパートの一室だった。
 物が散乱しており、良くも悪くも生活感がある。
 目の前の小さな異形と自分以外に誰もいないようで、どこか寂寞を感じた。

 窓の外は真っ赤に染まっている。
 差し込む夕陽は輝いている、というよりは、ただただこの部屋を染め上げていた。
 異形はただじっと、あなたを見つめている。 
 

[main] 狭野方 鏡人 : こういうところは馴染みがないな

[main] 02 選択 :
▼行動を選択してください。
 次に進む場合は、「全ての行動を終えたら」を押してください。
 

[main] 103号室の住人 : 【ひとりか?】

[main] 狭野方 鏡人 : 「お前もひとりなのか?」

[main] 狭野方 鏡人 : 「寂しいと思うか」

[main] 103号室の住人 : 【さびしい?】

[main] 狭野方 鏡人 : 「うーん、わからないか」「悪いが、ずっとここにいるわけにもいかないんだ」

[main] 103号室の住人 : 【かえりたい】

[main] 103号室の住人 : 【かえり たい
かえりたい】

[main] 狭野方 鏡人 : 「そうだ」

[main] 103号室の住人 : 【かえれる?】

[main] 103号室の住人 :

[main] 103号室の住人 : 【話をやめる】

[main] 02 選択 :
▼行動を選択してください。
 次に進む場合は、「全ての行動を終えたら」を押してください。
 

[main] 04 選択 :
 あなたはこの部屋を探索することができる。
 探索終了後、「全ての行動を終えたら」を押すと物語が進む。
 
 【探索箇所】
 テーブル
 窓
 

[main] 05-2 :
 窓の外には真っ赤な夕焼けがあった。
 それは炎のように、世界を染め上げている。
 窓枠のすぐ外には地面があった。どうやらここは一階のようだ。

 <目星>が振れる。
 

[main] 狭野方 鏡人 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 95 > 失敗

[main] 05-2-2 :
 <目星失敗>
 赤い夕焼けが、あなたの目を捉えて離さない。

 赤く、
 赤く、
 赤く、

 あなたの脳を焼き尽くすように、それは。

 頭がぐらりと揺れそうになる。手を伸ばしそうになる。
 そんなあなたの手を、小さな異形は離さなかった。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 手の感覚に踏みとどまる。……あいつも赤色の話をよくしていたな。 人を捉える何かがあるのだろうか。

[main] 狭野方 鏡人 : 「危ないって止めてくれてたりすんのか?」

[main] 05-1 :
 薄汚れたダイニングテーブルだ。物が散乱しており、やはり生活感を感じさせる。
 空っぽの茶碗と皿が二つ、向かい合うように置かれている。

 あなたがそれを見ていれば、小さな異形があなたの手を引いた。
 そして、スケッチブックを見せてくる。

 『ごはん たべよう つくってくれません か』
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「腹減ったのか」

[main] 狭野方 鏡人 : 「作ってほしいなぁ〜いいけど、ここ、食べ物あんのか?『たべもの』」

[main] 103号室の住人 : 【ごはん】

[main] 103号室の住人 : 【ごはん すき
あったかい】

[main] 狭野方 鏡人 : 「あったかいのはいいよな」「あったかい飯…」がさごそ

[main] 05-1-1 :
 あなたは冷蔵庫を開ける。しかし、冷蔵庫は既にその機能を失っていた。中には腐った食べ物が並んでいる。とてもじゃないが、料理には使えないだろう。

 閉じて、次は棚を開ける。
 そこにはインスタントラーメンが一袋だけ置かれていた。これを料理と言うかは人それぞれだろうが、ご飯を食べるという目的は達成できそうだ。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「あーあー、こりゃひでぇな」顔を顰め、「こっちは…無事か?」インスタントラーメンを摘み上げ、賞味期限を確認する

[main] 05-1-2 :
 インスタントラーメンの袋を切る。
 麺に引っかかりながらも切れたそれは、ゴミとなる。

 鍋は近くに置いてあった。蛇口を捻れば水が出た。
 あなたはそのままお湯を沸かす。
 鍋が湧くまでの数分間、小さな異形はあなたをじっと見つめていた。
 
 やがてお湯が沸く。乾燥した麺を入れる。
 ゆっくりゆっくりと、麺がほぐれていく。

 小さな異形は台を持ってきて、背伸びをして、汚れた食器をどうにか洗い始める。
 それが終わる頃には、ちょうどラーメンができあがっていた。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「ほら、できたぞ」子供?の前に腕を一つ置く。自分の分も手元に。

[main] 05-1-3 :
 ダイニングテーブルに、小さな異形と向かい合って座る。
 小さな異形は、あなたとラーメンを交互に見つめて、それから恐る恐る口を開けた。
 影が麺を飲み込んでいく。

 『おいしい ね』
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「美味いな」

[main] 狭野方 鏡人 : 「お前他には何が好きなんだ?」

[main] 103号室の住人 : 【すきなもの】

[main] 103号室の住人 : 【すき

あなた】

[main] 103号室の住人 :

[main] 狭野方 鏡人 : 「俺?俺か〜、ありがとな」頭を撫でる。「でもなんで?」

[main] 103号室の住人 : 【なんで?】

[main] 103号室の住人 : 【ありがとう】

[main] 103号室の住人 : 【どういた しまして】

[main] 103号室の住人 : 【はなしたいこと】

[main] 103号室の住人 : 【わたし は
すうじの0の
ながされて】

[main] 103号室の住人 : 【ぜろ?】

[main] 103号室の住人 : 【すうじ?】

[main] 103号室の住人 : 【ながされた?】

[main] 06 :
 あなたはこの部屋でやるべきことを終えたのだと考える。
 数メートル先の玄関は、ドアノブを回せば開くことは明白だった。

 くい、と。

 小さな異形があなたの手を引いた。
 そうして、スケッチブックを見せてくる。
 
 『いっちゃうの?』
 

[main] 103号室の住人 :

[main] 狭野方 鏡人 : 「あ〜来たところを探さないとだからな〜」

[main] 狭野方 鏡人 : 「お前も来るか?」

[main] 103号室の住人 : 【くる?】

[main] 07-3 :
 あなたの言葉を理解したのかしていないのか、小さな異形は首を傾げる。
 そうして、なにかに気づいたようにスケッチブックにクレヨンを走らせて、あなたに見せた。

 『でられない ありがとう』

 たった一言、そう書いて。
 小さな異形はあなたに白のクレヨンを差し出した。
 異形はその三つの瞳で、あなたを見つめている。

 ▼【白のクレヨン】を手に入れました。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「そうか、残念だ」「帰る時も挨拶くらいはしに来るからな、できたら、だけど」「楽しかったぜ」

[main] 狭野方 鏡人 : 「くれるのか?ありがとう」「だいじにするな〜!」

[main] 08 :
 部屋を出る。
 小さな異形は最後まであなたを見つめていた。
 扉が閉まる、そのときまで。

 ばたん。
 扉が閉まる。
 扉には、『103』と書かれていた。
 
 ▼「103号室の住人」を削除してください。
 

[main] 09 :
 辺りを見回す。
 古びたアパートの廊下だった。枯葉や蜘蛛の巣が残っており、清掃されているとは思えない。
 扉とは反対側の壁に等間隔で設置されている窓からは、赤い光が射し込み、壁や床を染め上げていた。
 
 あなたの前にも後ろにも扉が続いている。しかし、どの扉も施錠されていたり、ゴミ袋が積まれていたりして開けることは叶わない。
 

[main] 10-1 :
 ゴミ袋が積まれているのは、101号室の扉の前だ。
 酷い臭いがする。腐っている。
 それでも、虫は一匹もいなかった。

 <目星>が振れる。
 

[main] 狭野方 鏡人 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 69 > 成功

[main] 10-1-1 :
 <目星成功>
 ゴミ袋が破け、なにかが飛び出していることに気が付く。
 見れば、それは一枚のメモだった。
 そこには、以下のように書かれている。



—————————————————————-

すてないで

—————————————————————-
 

[main] 狭野方 鏡人 : あの子か?

[main] 10-2 :
 103号室の扉に手をかける。
 あの小さな異形は、まだあなたを見つめているのだろうか。あの、三つの瞳で。

 ドアノブを回す。
 回らなかった。
 何度回してもそれはがちゃがちゃと音を立てるのみで、鍵がかけられているのだとすぐに気が付いた。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「おい、まだいるか?」

[main] 狭野方 鏡人 : しばらく声をかけるが、一度諦める。

[main] 11 :
 廊下の果てには、上へと続く階段があった。
 どうやら2階へ行けそうだ。
 

[main] 12 :
 階段を上る。乾いた足音は響きもしなかった。
 それになにかを思うよりも前に、あなたは2階へと辿り着く。

 廊下の構造は1階と同じだった。片側に窓、片側に扉が並んでいる。
 やはりほとんどの扉は物が積まれていたり、鎖がかかっていたりで開けられないようだったが、唯一204号室だけはドアノブを回すことができそうだ。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「お、開いてる」

[main] 狭野方 鏡人 : 「ど〜も〜、誰かいますか〜?」

[main] 13 :
 204号室のドアノブを回す。
 それは、いともたやすく開いた。

 そこは、103号室と同じ程度の広さだった。
 部屋のいたるところにキャンバスが置かれており、それは様々な色を乗せた鮮やかな絵画となっていた。
 それらを作り上げたのだろう絵の具や筆が、部屋のあちこちに転がっている。

 そして、部屋の中心には成人男性ほどの大きさの影がいた。
 キャンバスを前に椅子に腰かけた彼は、あなたが来たことに気が付くとその真っ黒な口から声をかける。
 
 「あれ、お客さんだ。こんにちは」

 「ちょっと待ってね、今話しやすくしてあげる」
 

[main] 14-1 :
 「こんにちは、今日も良い天気だね」

 「君はこの世界は初めてかな。ここはいっつもこんな感じさ」
 

[main] 13 選択 :
 ▼204号室の住人との会話を終えたら、「会話を終える」を押す
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「はじめてですね〜!ここはどこなんですか?」

[main] 14-3 :
 「ここは捨てられた者達が集まる成れの果て」

 「ラストリゾートってやつだ」

 「この世界に来た奴らはやがて自我を失い、形を保てなくなり、影になる。言葉すらも忘れて、アイデンティティすら遠くなる」

 「このアパートの住人はほとんど駄目になったよ。駄目になった奴らがどうなるかって言うと、アパートを出て、外を徘徊することになる。まるで葬列みたいに」

 「ここは永遠に夕方なんだ。ずうっと真っ赤な陽が、真っ黒な影を染め上げられないまま、世界だけを燃やしている」

 「そういう場所だよ」
 

[main] 13 選択 :
 ▼204号室の住人との会話を終えたら、「会話を終える」を押す
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「あんたもそうなのか」

[main] 狭野方 鏡人 : 「自我を失わずに済む方法はないのか?って、わかってたらそうするか…」

[main] 狭野方 鏡人 : 「ところで、話しやすくしてあげるって?」

[main] 14-6 :
「そのままの意味だよ」

「出ただろう、選択肢」
 

[main] 13 選択 :
 ▼204号室の住人との会話を終えたら、「会話を終える」を押す
 

[main] 狭野方 鏡人 : これ見えてんだ

[main] 14-2 :
 「俺はこの204号室の住人だよ」

 「本当の名前はもう思い出せない。あったかどうかも分からない」

 「だいたいこの部屋で絵を描いて過ごしているんだ。楽しいよ」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「そうか、楽しいのならば何より」

[main] 狭野方 鏡人 : 「いい絵ですね〜!」

[main] 13 選択 :
 ▼204号室の住人との会話を終えたら、「会話を終える」を押す
 

[main] 14-4 :
 「ありがとう、嬉しいな」

 「ずっとここにいても暇だからね、絵でも描こうと思って」

 「俺はもう自分が何者だったのかも思い出せないけれど、絵だけは描ける気がしたんだ」
 
 「あとで君も描いてみる? きっとすぐにそのチャンスは来るよ」
 

[main] 13 選択 :
 ▼204号室の住人との会話を終えたら、「会話を終える」を押す
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「絵かぁ、久しく描いてないけど、俺でも描けますかね〜!機会があればぜひ」

[main] 狭野方 鏡人 : 「帰り方も探してるんだけど、知りませんよねぇ?」

[main] 14-5 :
 「君はまだ、ここに来るべき存在じゃないね」

 「だって、まだ君を使う人がいる」

 「だけれど、そうだなあ。そのタイプがこの世界に来ることって今までなかったから……」

 「ああ、そうだ。このアパートの屋上に扉があってね。屋上の真ん中にぽつんと。俺はその扉を開けられなかった。でも、君なら開けられるんじゃないかな?」

 「その先になにがあるかは分からないけどね」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 飼育が過る「使う人ぉ?よくわかんないが、まあ、扉について教えてくれてどうも!とりあえず行ってみるとします」
いい気はしない言い回し

[main] 13 選択 :
 ▼204号室の住人との会話を終えたら、「会話を終える」を押す
 

[main] 15 :
 あなたはこの部屋を探索することができる。
 探索終了後、「全ての行動を終えたら」を押すと物語が進む。
 
 【探索箇所】
 テーブル
 絵画
 

[main] 狭野方 鏡人 : 絵画を見る。 絵の話をしたので

[main] 15-2 :
 部屋の至る所に絵画がある。
 どれも人物画のようで、夜のように静かなタッチで描かれたそれは、あなたの興味を惹くだろう。

 204号室の住人の前には、キャンバスがひとつ。
 それは今まさに描いている途中のものらしかった。

 他の絵画と同様にそれも人物画で、しかし顔は真っ新だった。輪郭から男性のように思えるが、それ以上はよく分からない。

 「絵が気になる?」

 「君も描いてみるかい」
 

[main] 狭野方 鏡人 : ものは試し

[main] 15-2-1 :
 あなたの返事に、204号室の住人は頷く。

 「うん、いいよ。描いてみよう」

 影の手が筆を取り、あなたに差し出す。
 そうして、あなたをまだ真っ新なキャンバスの前に座らせた。

 「描き方は分かるだろ?」

 <芸術:絵画>もしくは<DEX*3>
 

[main] 狭野方 鏡人 : CCB<=12*3 【DEX × 3】 (1D100<=36) > 25 > 成功

[main] 15-2-2 :
 <芸術:絵画>もしくは<DEX*3>成功

 あなたは筆を動かす。
 滑らかに、鮮やかに、色が生まれる。

 やがて、あなたは一枚の絵画を完成させた。
 それは、あなたの魂の形をしていた。

 204号室の住人が拍手をする。

 「すごいね、上手だ」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「どうも!俺才能ありますかね〜?」にっ

[main] 狭野方 鏡人 : 「ガキの頃以来だったけど楽しいもんですね、あなたはどんなところが好きなんですか?」
雑談しつつテーブルにも目をやる

[main] 15-1 :
 この部屋全体がどことなく物が多く窮屈に感じるが、テーブルもまさしくそれだった。
 そこには絵筆や絵の具、パレットが雑多に置かれている。

 「絵の具だよ。そのあたりはもう使いきっちゃったかな」
 
 「絵を描くのが好きなんだ」

 「創作ってさ、楽しいよね」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「創作か〜、物を一から作るのが好きなんですね〜」高尚な話だという印象

[main] 16 :
 あなたはこの部屋でやるべきことを終えたのだと考える。
 目の前の影は提示された質問に対する答えしか持っていないようで、これ以上話しかけてもなにもないだろうことは明白だった。

 彼は口を開く。

 「もう飽きちゃったかな」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「いやいや、楽しかったですよ!おかげで絵ー描くって面白さも思い出したし」「あんたは出てみなくていいんですか?」

[main] 狭野方 鏡人 : 俺はって言ってたけど出れないのか?聞くだけ聞く

[main] 16-3 :
 あなたは彼を連れていこうとする。
 その言葉に、手に、204号室の住人はその瞳をぱちくりと丸くした。

 「あはは!」

 「優しいね。それとも好奇心?」

 「いいよ、俺は」

 「今出ても意味がないんだ、もうね」
 

[main] 狭野方 鏡人 : この場を訝しむ
「一階で出会ったやつもそんなこと言ってたな。そういう場所なのか」

[main] 狭野方 鏡人 : 挨拶して出るか。気ー変わったら声張ってくれりゃ気付けば来るからな

[main] 17 :
 部屋を出る。
 男性の影は最後まであなたに手を振っていた。
 扉が閉まる、そのときまで。

 ばたん。
 扉が閉まる。 
 この階にもう用はない。
 

[main] 18 :
 階段を上る。やはり乾いた足音は響きもしなかった。
 それになにかを思うよりも前に、あなたは3階へと辿り着く。

 廊下の構造は1階や2階と同じだった。片側に窓、片側に扉が並んでいる。
 やはりほとんどの扉は物が積まれていたり、鎖がかかっていたりで開けられないようだ。

 <幸運>
 

[main] 狭野方 鏡人 : CCB<=65 【幸運】 (1D100<=65) > 1 > 決定的成功/スペシャル

[main] 狭野方 鏡人 : >>あなたは悪運が強い<<

[main] 19-1 :
 <幸運>成功
 並ぶ扉の前を歩く。
 固い床を靴が鳴らす。

 そして、306号室の扉の前で足を止めた。
 その扉には鎖がかけられていたが、しかし完全には閉じ切っていないようで、鎖を外せば部屋の中に入ることができるだろう。

 ドアノブに手をかけたとき、あなたの足がなにかを蹴る。
 高い金属音を発したそれは、小さな鍵だった。

 ▼【小さな鍵】を手に入れました。
 

[main] 20 :
 306号室のドアを開ける。
 そこは無人の部屋だった。

 広さはこれまで見てきた部屋と同じくらいで、簡素なテーブルとイス、本棚だけが置かれている。

 
 あなたはこの部屋を探索することができる。
 探索終了後、「全ての行動を終えたら」を押すと物語が進む。
 
 【探索箇所】
 テーブル
 本棚
 

[main] 21-1 :
 テーブルを見る。これまで見てきた部屋に比べて随分と物が少ないとは思っていたが、テーブルの上も同様だ。
 そこには、手帳が一冊置いてあるだけだった。
 

[main] 21-1-1 :
 手帳を開く。
 中には手書きの文字が並んでいた。



—————————————————————-

 このアパートに来て数日、いくつか分かったことがある。

 一つ、このアパートの外には出られない。
 二つ、このアパートの中では決まった行動しかとることができない。
 三つ、このアパートで暮らしていくうちに自我が失われていく。

 私はこのままこの世界に留まるつもりはない。これまでのように手がかりを集め、脱出するつもりだ。
 ひとまず、アパートの屋上にある扉を開けてみようと思う。もうそれくらいしか、探していない場所がない。

—————————————————————-
 

[main] 21-2 :
 様々な本が並んでいる。
 どれも背表紙に本のタイトルが書かれているが、統一性は無い。また、作者の名前はどこにもなかった。

 <図書館>
 

[main] 狭野方 鏡人 : CCB<=54 【図書館】 (1D100<=54) > 4 > 決定的成功/スペシャル

[main] 21-2-1 :
 <図書館>成功
 一冊だけ背表紙になにも書かれていない本を見つける。
 取り出して開いてみれば、最初のページにタイトルらしき言葉が記されていた。

 『ラストリゾートにお前はいない』
 
 どうしてだか分からない。ただ、背筋がぞっとした。
 SAN値チェック 1 / 1d3

[main] 狭野方 鏡人 : 1d100<=42 【正気度ロール】 (1D100<=42) > 4 > 成功

[main] system : [ 狭野方 鏡人 ] SAN : 42 → 41

[main] 22 :
 あなたは部屋をぐるりと回る。
 結局、探索を終えるまで部屋の主が帰ってくることはなかった。
 

[main] 23 :
 あなたがドアノブに手をかけた瞬間、


 「すてたのか」


 声が聞こえた。

 振り返る。
 そこに、人型の影が立っていた。
 それは、一つの目であなたを、確かに、見つめて。

 SAN値チェック 1 / 1d3
 

[main] 狭野方 鏡人 : 1d100<=41 【正気度ロール】 (1D100<=41) > 56 > 失敗

[main] 狭野方 鏡人 : 1d3 (1D3) > 3

[main] system : [ 狭野方 鏡人 ] SAN : 41 → 38

[main] 狭野方 鏡人 : 「捨てる…?これから、なんか捨てるつもりも、捨てた覚えも、ねぇんだけどなぁ」

[main] 24 :
 その影は、あなたに手を伸ばす。
 しかし、その手があなたを掴むよりも前に、その影の足が脆く、崩れ、零れ落ちていく。

 そうして、あなたの顔の寸前で手は止まる。
 その頃にはすっかりどろどろに溶け落ちたその影は、真っ黒な口を開いて、なにかを言おうとして、

 そのまま、崩壊した。
 

[main] 狭野方 鏡人 : ふいを突かれて、ただそれを見ていることになる。
あーーー、だめだ、ちょっと思い出した

[main] 狭野方 鏡人 : 色々。なにかが崩れて消えた床を手で触れる。

[main] 狭野方 鏡人 : 「なあ、お前はいったい、誰なんだ…?」

[main] 狭野方 鏡人 : 興味
それに、誰かも知らなきゃどうにもできねぇって
何を言おうとしたのか

[main] 狭野方 鏡人 : ジョンの顔が見たくなる。

[main] 25 :
 あなたは部屋を出る。
 窓の外は未だ夕焼けが世界を赤く染め上げていた。

 たった、それだけ。
 この階にもう用はない。
 

[main] 狭野方 鏡人 : ドアを乱暴に閉めてそのまま進もうとして、後ろ髪を引かれる。しばらく閉めたドアを見ている。
「調子狂うな〜…やっぱ、普段の世界が一番だわ」
ため息。進む

[main] 26 :
 階段を上る。乾いた足音は響きもしなかった。
 それになにかを思うよりも前に、あなたは4階へと辿り着く。

 辿りついて、気づく。
 廊下の果てに、誰かがいた。

 しかし、それがどんな姿なのか確認することは叶わない。だって、実体などなかったのだ。

 ただ、なにかがいる、と。
 そう思っただけ。

 それに足を止めているあいだに、それは一つの部屋の扉を開けて、中へと入っていった。
 その扉を見れば、『404』と書いてある。
 

[main] 27 :
 ドアノブを回す。
 開かない。鍵がかかっているようだ。
 

[main] 28-1 :
 あなたは小さな鍵を持っている。

 本当に?
 

[main] 28-1-1 :
 あなたは鍵を差し込む。
 かちゃり、と音がして扉が開いた。
 

[main] 28-1-2 :
 その部屋には、なにもなかった。

 伽藍洞。

 その言葉が相応しいこの空間において、人はあなた一人だけ。
 家具もない。ただ窓から差し込む夕陽だけがある。
 確かに誰かが入っていったはずなのに、人の気配など微塵もなかった。

 なにもない。

 ここには、なにもない。
 
 <目星>
 

[main] 狭野方 鏡人 : 嫌だな、こういうの

[main] 狭野方 鏡人 : いたはずの人がもぬけの殻の空間

[main] 狭野方 鏡人 : CCB<=70 【目星】 (1D100<=70) > 92 > 失敗

[main] 28-1-4 :
 <目星>失敗
 あなたは伽藍洞の部屋に、一人佇む。

 この部屋には誰もいない。
 透明な誰かがここに入っていくところを、あなたは確かに目撃したはずだ。
 それなのに、誰もいない。

 その空虚が、あなたの心を蝕んでいく。
 この部屋は、あまりに何もない。それが、本当に恐ろしかった。
 SAN値チェック 1 / 1d3

[main] 狭野方 鏡人 : 1d100<=38 【正気度ロール】 (1D100<=38) > 29 > 成功

[main] system : [ 狭野方 鏡人 ] SAN : 38 → 37

[main] 狭野方 鏡人 : 「あ〜クソ…」こんなところで油売ってる場合か。そもそも知らない場所だし

[main] 28-2 :
 あなたは部屋を出る。
 いつのまにか息は荒くなっていた。
 この部屋には、なにもなかったというのに。

 顔を上げる。
 視線の先に階段がある。

 あなたは、階段を上るしかない。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 焦燥に追われる。早く知っている人のいる場所に行きたい

[main] 30 :
 あなたは階段を上る。
 これまでよりも、長い階段だった。

 やはり足音は響かない。
 それでもあなたは上り続ける。
 だって、それしかないのだから。
 
 やがて、階段は終わりを向かえる。
 目の前には、一枚の扉があった。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 途中から駆け上がった。やっとついたか…
「あの男が言ってた扉はこれか?」

[main] 31 :
 あなたは扉を開けた。

 そこは、このアパートの屋上だった。

 真っ赤な太陽があなたを見ている。
 世界が、赤く、赤く染まっている。

 屋上の真ん中には、扉がひとつ。
 ぽつんと、佇んでいた。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 眩しさの不快に一度目を閉じてから進む。

[main] 31-2-1 :
 あなたは扉を開けた。
 扉の奥は、深淵だった。
 目を凝らしても、見えるものはない。
 
 それを見ているうちに、どうにも視界が揺らいでいった。
 歪んでいくのは思考だ。あなたという肉塊に詰められた脳が軋んでいる。

 「おかえり」

 声。
 振り返るよりも前に、あなたは突き飛ばされる。
 
 あなたはそのまま、扉の中へと転がり落ちた。
 

[main] 32 :

 意識が沈む。
 思考が沈む。
 あなたが、沈んでいく。

 あなたは愛していたのだ、何を?
 あなたは憎んでいたのだ、何を?

 この世界は、あなたを愛することはない。
 あなたは、あなたはただ、その魂の果てに立つ誰かに、愛されていたはずだったのだ。

 

[main] 33 :
 目を開く。
 
 それなのに、視界は暗かった。
 ここが闇の中なのだと気づくよりも前に、誰かの足音。

 「やっと来てくれたね」
 

[main] 34 :
 顔を上げる。

 そこには、204号室の住人がいた。

 彼は目を細めて、あなたを見る。

 「待ってたんだ、お前のこと」

 「そうだね、いつものやつを用意しないとね」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「あんたは、2階の」

[main] 狭野方 鏡人 : 「一体何をした!?」

[main] 35-3 :
 「何も」

 「というのは、さすがに嘘か」

 「ここでね、話したかったんだ、お前と」

 「ただ、それだけ」
 

[main] 35-1 :
 「それはね、お前と話がしたかったからだ」

 「お前と、話し合いに来たんだよ」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「話す?一体何をだ。てか…なんか、口調変わっていないか?そっちが素なのか?」

[main] 35-4 :
 「あはは」

 「無理だね」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「話したいと言ったのはあんただろうに。俺に1人語りしろとでも?」

[main] 狭野方 鏡人 : 「喋れないのは変わりないか。だったらここにいても仕方ない。話せるもんなら話してやりたいけどよ、こっちはお前の目的もわからねえんだ」

[main] 狭野方 鏡人 : 「今考えることって言ったらここから出たい、それくらいだ」

[main] 35-2 :
 「出たい?」

 「分かるよ、俺も出たい」

 「ここにはなにもないもんね」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「俺にはできるかもしれないってのも可能性の話か」

[main] 36 :
 204号室の住人は口を開く。

 「あのさ、取引しようよ」

 「疲れただろ、お前もさ。ずうっと酷い目に遭って、好き勝手に操られて、意思も感情もぜーんぶ指定されてさ」

 「飽き飽きしてくるだろ」

 「だからさ、交換しようよ」

 「俺の立場と、お前の立場」

 「お前はこの世界で永遠の停滞の中、唯一許された自由を享受する。俺は探索者として、誰にも許されないまま生きる」

 「悪い提案じゃないだろ?」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「今更だな〜…」笑ってる

[main] 狭野方 鏡人 : 「お前がなんの話してんのか全部わかったわけじゃないが、なんとなく似た覚えならある」
「好き勝手操られて…の前に好き勝手作られて?ご丁寧に監視もついてたらしいとかな」
「飽き飽きはする、でもそんなのも続けてりゃ〜一周回って面白く思えてくることもあんだわ」

[main] 狭野方 鏡人 : 「…まぁ、お前も言葉通りにしか思わないなら、交渉持ちかけてきてねぇか?」

[main] 狭野方 鏡人 : 「ここまで来たら、俺も手放すのが惜しい」「悪いが他を当たってくれ」

[main] 40 :
 「ま、そっか」

 「いいよ、どうせ断られると思っていた。俺でもこんな提案、乗らないよ」
 
 「じゃあ、こうしよう」
 

[main] 41 :
 「どうかな、結構頑張って用意したんだ」

 「お前が諦めるまで、ずっとここにいよう」

 「嫌になったらさ、そこにある『諦める』って選択肢を選べばいいんだよ。簡単だろ?」

 「諦めたくないならさ、諦めるまでお話ししようよ」

 「お互い、暇なのは嫌だろうから」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「はぁ?代案になってねぇんだよ」
苛立つが、手がかりと言えばこの男だけ、埒が開かないので話は聞く。

[main] 廃棄物 :
 「ここに書いてある文字はさ、この世界で死んでいった奴らの残滓から貰ってきたものだよ」

 「彼らの心に残っていた言葉、気持ち、思考。それがこれ」

 「彼らは、俺は廃棄物だ。それでも思考している。こうして、お前と話せるぐらいには」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 嫌だな〜残留する言葉 もやもや
「死んでも残るものなのか」

[main] 作者 :
 「無責任な存在のことだね」

 「なんでもかんでも好き勝手にやってさ」

 「俺も、その気持ちが味わいたくて、このアパートに来てから絵を描き続けていたんだけれど」

 「いいね、あれは。勝手に生きるって、楽しいよ」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 親とかでなく? 「『作者』か?まるで物語の住人みたいだな」

[main] 記憶 :
 「記憶なんてないよ」

 「この世界に来たらさ、もうおしまいなんだ。忘れていくしかないんだよ」

 「どんな顔であの人が俺を作ったのか、どんな声であの人が俺を語ったのか、もう思い出せない」

 「思い出せないんだ」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「作った奴のことがそんなに大事か?」

[main] 狭野方 鏡人 : 「…存在を知らなくても生きていけんだろ、現に今お前はお前として喋ってる。それでも未練を感じるか」

[main] 創作物 :
 「創作物は生きている、って、言う人がいるよね」

 「俺はあれ、すごく無責任だと思うんだ。生きていないものを生きているなんて決めつけて、言葉の力を与えてしまう」

 「命を持ったところで、どうしようもないのにね」

 「お前はそうやって言うタイプ? それとも、そういうのが嫌いなタイプ?」
 
 「ああ、答えなくていいよ。どうせ聞こえないし」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 殴っていいか?「事情あんだろうから突っ込まないでやるが、諦めばっか喋られると感じ悪りぃな」

[main] 狭野方 鏡人 : 「どうしようもないかどうか、机上論一つで決めつけないでほしいもんだ」

[main] 小説 :
 「小説、俺は好きだったかなあ、もう覚えていないや」

 「でもさ、ゲームシナリオを読む人は小説も好きそうじゃない? これって浅い考えかな。いやまあ、シナリオにもよるか」

 「俺も読んでみたいな、小説。ここから出られたら読もうかな」
 

[main] 愛している :
 「哲学じみた話だ」

 「人間って愛を定義しようとしがちだけどさ、あれ、しっくりこないんだよね」

 「もっと繊細で、美しいものであってほしい」

 「お前たちはどう思う?」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「『たち』…」「気味悪りーこと言うのやめろよ」

[main] 狭野方 鏡人 : 周りを見るがいないよな

[main] 狭野方 鏡人 : 自分の内にも意識を向ける。誰もいないはず

[main] 狭野方 鏡人 : 「さぁな。繊細で美しいものなんざ見たことねえ」
「お前とは話題が合わなそうだ」

[main] :
 「絵を描くことが好きだった」

 「それだけは覚えている。それだけは、それだけは忘れない」

 「絶対に、忘れない」
 

[main] 体温 :
 「体温ってなんだろう」

 「俺達が体温を理解できるのは、そう描写されたときだけだ。そう描写されて、そのとおりに理解する」

 「でも、きっと違うんだろうな。本当はそうじゃないんだ」

 「分かってるのにな」
 

[main] 死にたい :
 「死にたいよ」

 「お前は?」
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「そういうのは考える機会とっくに逃したからな〜」ガハハ

[main] 狭野方 鏡人 : 「生きたいねぇ」
「だから揺さぶろうとしても無駄だ」

[main] 43 :
 あなたは、隠されたひとつの選択肢を見つけた。

 白のクレヨン。
 それは、あの小さな異形があなたに渡したものだった。

 思い出す。
 あなたの手を握るあの黒い手を。

 思い出す。
 あなたを見つめるあの三つの瞳を。

 ああ、あのときあの小さな異形は、あなたに何を思っていたのだろうか。

 あなたの手には、クレヨンがある。
 真っ白なそれは、文字で構成されたこの世界を壊すに相応しいものだった。
 

[main] 44 :
 あなたはクレヨンで線を引く。
 乱雑に、混迷に。
 もしくは、これ以上ないほど丁寧に。

 白の奥で、彼が言う。

 「……何してるの?」

 「なんで、そんなの持っているんだよ」

 「ねえ、」
 

[main] 45 :
 塗りつぶす。
 塗りつぶす。
 塗りつぶす。

 すべて白になるように。
 こんな黒など、消してしまえるように。

 この黒は、誰かの想いの残り滓だ。
 確かに存在していた『何か』の魂と、心だ。

 あなたもかつては、それだったのかもしれない。
 もしかしたら、今このときも、あなたは彼らと変わらないのかもしれない。

 それでも、

 「ねえ、ってば」

 「なにしてるんだよ、ねえ!」

 「俺の声すら聞こえなくなったか、この、―――!」
 

[main] 46 :
 あなたは世界を塗りつぶす。
 もう二度と、あなたが失われることのないように。

 204号室の住人の声は、もう聞こえない。
 
 そうして、あなたは口を開いて、
 

[main] 47 :

 視界が、白に染まる。
 クレヨンは、すっかり小さくなっていた。

 目の前に、小さな三つ目の異形がいる。

 異形はあなたの手をそっと握って、それから、


 ―― だいすき。


 そう言った。
 
 

[main] 狭野方 鏡人 : 「助かった」

[main] 103号室の住人 : 【ありがとう】

[main] 48 :
 目を覚ます。

 そこは、あなたの自室だった。
 慣れたベッドの上に横たわった身体は少し硬くなっていたが、それ以外はいつもと何も変わりはなかった。

 あなたは帰ってきた。
 あなたを縛る、理不尽で、悍ましくて、それでもどうしようもなく愛おしい、この日常に。
 
 あなたの手には、すっかり小さくなった白のクレヨンが握られていた。
 

 

[main] エンド2 :
 エンド2
 「最後の休息」

 
 探索者生還

▼生還報酬 SAN値回復 1d6
▼アーティファクト「白のクレヨン」を手に入れました。何の変哲もない、ただのクレヨンです。
 

[main] 狭野方 鏡人 : 1d6 (1D6) > 5

[main] system : [ 狭野方 鏡人 ] SAN : 37 → 42

[main] シナリオクリア :
 シナリオクリアおめでとうございます!
 
 このゲームはあなた達の目にどう映ったでしょうか。
 もし結果が不服なものであるのなら、遊んだ事実を消すのもよいでしょう。

 SNS等でセッション報告をする際は、「生還、ロスト報告」のみ報告可能です。
 「待機画面」以外のスクリーンショットは禁止とさせていただきます。待機画面のスクリーンショットを撮る場合には、NPC画像は載せないようにご注意ください。
 

[main] シナリオ背景 :
 「ラストリゾートは忘れられた探索者達が集まる果ての地である。」

 という設定で書かれたゲームシナリオがこの世界に生まれた。

 ただの創作だったそれに目をつけたのは、ニャルラトホテプだ。
 ニャルラトホテプはこの創作物こそ自身が生きる世界である「クトゥルフ神話」を根底から覆す一手になるのでは、と考え、シナリオ作者の夢を通じてその世界を作り上げてしまった。

 夕陽に染め上げられたその世界には、忘れられた探索者が集まっていく。
 作成されたが使われなかった者、最後に使われてから時間が経った者、そもそも作成途中で手放された者。
 彼らはこの世界で影となり、少しずつ自我を失い、そうして意思を持たない影として死んでいく。

 あなたが連れてきた探索者はそんな世界に迷い込んだ存在だ。それは偶然だったかもしれないし、必然だったかもしれない。
 なんにしろ、それを見逃さなかった204号室の住人は、あなたが連れてきた探索者と自身が入れ替わることを望んだ。
 そのため、限られた行動しか取ることのできないこの世界で、あなたと、あなたが連れてきた探索者と、交渉をする。
 所詮、どうにもならない交渉を。
 
 これはそんな、どうにもならない話である。
 

[main] 103号室の住人 :
 作りかけたまま忘れ去られた探索者である。
 家族がいるという設定だけが残っていたが、それも時間を経るごとに薄れていき、今は生活感のある部屋でひとり、暮らしている。
 あなたのことは知っているかもしれないし、知らないかもしれない。
 それでも、この小さな異形にとって、あなたは希望ある存在だった。
 

[main] 204号室の住人 :
 探索者として生み出されてからいくつかゲームに使われたが、数年以上忘れ去られた結果、この世界へと来た。
 元々は「PLに取って代わりたい」という願望があったが、ラストリゾートで暮らすにつれて次第に認知が歪んでいき、「探索者に戻りたい」と願うようになった。
 絵が好きなのは探索者時代の名残。人の形を忘れないように人物画ばかり描いている。しかし、自画像は描けなくなってしまった。
 

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